DAY2
ホテルに泊まった朝、
僕たちははじめて現地のインド料理を食べた。
しがないホテルで出された朝食はこの旅で一番思い出に残る食べ物となった。
何がなんだかわからないなかで、旅行客も全くいない中、太っちょのインド人たちはひたすらに飯を食べている。
何も知らない僕たちはとりあえずみんなの真似をして食べる。
うまい。
からくて、うまい。
ただ、うまい、泣けてきた。
旅の不安をかき消す、とても素朴な朝ごはん。
僕達が触れたいものはこういうものだ!となにか心も体も明るくなった、最高の朝の始まりだった。
そして勢いづいた我らは屋台飯に挑む。
ドーサという、薄焼きの生地に芋を包んで焼く料理にサンバルというスープのようなものをつける。
この美味さとパフォーマンスと価格と、全てに興奮した。
ネイルを塗っていたインド人に度肝を抜かれ、僕達はすぐに空港に向かった。
画像、ムンバイ空港。
チェックインの受付の若い子たちはこっちをチラチラ見ながらひそひそと話している。
どうしたの?と聞くとマンガが好きなんだと、終始興奮気味に語る。
バキが好きらしい彼はかなりのヲタ感を感じたい。好きなタイプだ。
インド最初の目的地はケーララ。
大きなインド大陸の西に位置するムンバイから2時間ほど飛行機で南へ飛んだ場所。
アーユルヴェーダ発祥の地と言われているこの地にはとても興味深いものがたくさんあった。
ケーララの空港からまた2時間ほど南へ向かう場所はアレップーザという海沿いの町。
僕達はそこまで電車で向かった。
電車での旅。
インドの電車旅は、もう、なんというかいままでの全ての概念がひっくり返る時間だった。
窓は空いてるし、みんな横になって寝てるし、音楽は好き放題かけて、チャイ売りや軽食売りの人が何が言いながら列車の中を練り歩く。
これはもう実体験しないとわからない感情です。
とてつもなく人間臭い。
生きている臭いがした。
新婚旅行ということもあり、数日は豪華なリゾートホテルに宿泊。
一泊一万もしないくらいのところだったけど、とても贅沢な時間を過ごした。
そこのダイニングにいたバーテンダーの男性が、踊るように、なんだか彼の音楽がかかっているような空間で、
とても楽しそうに仕事をしていて、この人に会えてよかったなと心から思えた。
あの、細くて肌の黒い、パーマの男はずっと忘れない。
そして、このホテル。
リゾート地だと思っていたが、
インド人しかいない。
旅行客たくさんいると思っていたが
インド人しかいない。
プールではインド人がガチの水球をしている。
リゾートホテルのプールはビーチサイドでカクテル飲んだりするのかと思っていたが、彼らは決してそんなことなく、一心不乱に水球をしている。
そして、通路ではみんなでインドの国技、クリケットをしている。
なんか大人が本気で、子供っぽくて楽しそうだ。
最高だ。
続く