飲食店の従業員に供する食事をまかないと言います。
多くの飲食店でこの大切さをわかっていないように思えます。
ただ従業員に食事をまかなうのではなく、それを食べることで、元気が生まれ、最終的にはお客さんの元へ提供するものへ表れます。
近年では効率化や経費削減のためにまかないを仕出しの弁当にしたり、余った食材ばかりを使って、ただ食事を’’まかなう’’だけのお店も多いのが現状です。
ただそれを続けていて何になるのか。
コストも削減され、従業員の負担も少なくなります。
でも毎日吉野家の牛丼をまかないとして食べている料理人がいたとしたら、そんな人に作って(提供して)もらった料理がお客さん側からしたらどうなのか。
仮にそれを知らなかったとしても、それは必ずどこかに表れます。
トイレの清潔さに気を使えなかったり、ゴミがたくさん落ちていたり、、
まかない料理一つでこれは解決できる問題だと僕は思っていて、その日のbig meal(1日の中で一番しっかり食べる食事の意です)に心がこもっていたら、必然とそれは従業員の意識向上に繋がると信じています。
修行時代にいたレストランはそこに関してものすごく厳しくありました。
まかないにかけるお金に関しては全く何も言われませんが、忙しいや、間に合わなかったやらを言い訳に下手なものを出したら、その後のディナー営業が滞ります。
当時は目の前のことでいっぱいいっぱいでしたが、今思うとあの経験がなければ、心のこもった料理の作り方を知らないまま今至っていたのかもしれません。
長年、離職率が顕著に高い飲食店業界ですが、’’まかない’’の作り方1つでこの問題は解決するのではないでしょうか。
人間は食べ物でできています。
一番大切なことは何か、を考えるきっかけにしていただけたらと。
CHAN