無花果

無花果と聞くと、母を思い出す。

僕がまだ幼かった頃、母が喜んで無花果を頬張っていた記憶があって、当時の僕は無花果という得体の知れないものを遠くから望遠している。そんなガキでした。

’’まるで土のような味がする’’。当時の感想はこんな感じだったと思います。

だけど大人になるにつれて、あの素朴な甘さを好むようになってきた。

無花果を美味しいと感じた時。それは大人になった証拠なんでしょうか。

無花果好きな人に悪い人はいない気がする。そんな夜。

CHAN