三重県いなべ市
ゆうき農園
森友喜 さん
ゆうきさん最終回。
今回ゆうきさんと関わらせていただいた中で思ったことでもある、
生産者と飲食店の関係について少し思うことを綴らせていただきます。
飲食店を営む人間は生産者から食物を購入します。
母体が大きくなればなるほど、忙しくなればなるほど、飲食店と生産者の間に業者が入ったり、仲卸が入ったりしてどんどん両者の距離は遠くなって行く構図が見える気もする。
僕は20代前半の修行時代、生産者と話す。ということをほぼしませんでした。
野菜がどういうふうにできてどうなって今ここにあるか。
なんて一度も考えたことはなかったように思います。
考える必要のない、考えることすらできなかった自分に今思うと腹ただしく思う。
それは環境が理由と言っていいのかはわかりませんが、当時の自分はそんな程度でした。
ただひたすら目の前のことだけに着目し、それをしている自分をイケてると思っていたあの頃。
今こうして物事をこういった風に捉えることができるのは良かったと思えます。
実際に生産現場を見て、触れて、感じ、息を吸う。
僕たち料理人という、調理をする人間にとって必要なこと。
ゆうきさんの牛蒡を使った料理をしていても、何も言わなかったらただの牛蒡です。
僕はもちろんゆうきさんの顔を空気を思い浮かべながらそれを咀嚼し、料理をする。
ただそれを食べ手に提供した際に、コミュニケーションがないと、何も生まれない。
飲食店を営んでいるものとして、『出し手』がいかに重要な存在であるか。
そしてそこにどれだけの想いがあるか。
それによって、0にも100にも生産者に対する考えが変わると思うのです。
スーパーに行けばAさんの野菜は売ってるかもしれない。
ただそれは自分の知識量の中での商品の購買になります。
それが飲食店というフィルターを通すと、別物になる。
飲食店というのはそんなアートのような抽象的なものの化学反応が起きる場所であってほしいなぁと思うのでした。
ゆうきさん、今回は本当にありがとうございました!
土に触れることの大切さを確かめさせていただいた。
と、同時に今まで自分がやってきたことはまだまだ浅すぎる、もっと深掘りして、目で見て感じて生きていかないといけないと思いました。
こうして人生の先輩たちの生き方を見れることは本当にありがたいことです。
日々感謝でしかありません。
さぁ、次はどこの誰に会いに行こうか。
おわり
新玉ねぎも最高でした♡