長崎と熊本 その2

その日僕は中部国際空港から長崎空港へ向かいました。

3月3日から18日まで

種を蒔くデザイン展が開催されていて、僕が適当に決めた旅程がたまたまそのイベント期間に重なって、とても幸運でした。

今回の目的は長崎雲仙と熊本。

長崎、雲仙にはオーガニック直売所タネトとBEARDというお店を目がけ、熊本はのはら農研塾に伺いました。

2月初め、ビビりながら直接タネトの代表に電話をし、3月7日からお伺いさせていただきますとお話させていただいた。

電話とった側としては、なんだこいつ。みたいな感じだったかもしれませんが、とりあえず行くということをなんとか伝えたくて、電話しました。

長崎空港に着いたのは夜の8時、今宵は京都にあるMONKとうレストランの今井さんがイベントで長崎に来ているということで、食後の会に見ず知らずの僕をお誘いいただいきました。

その日の宿は蒸気屋という温泉宿。

硫黄の香りのする町でした。

宿に到着して、奥津さんと合流してお話をする。

奥津さん、イベント期間でものすごくお疲れだったと思います。

そんな中で、この部外者にあそこまで話してくれるかという熱量と言葉量をいただきました。

普段、僕が心のどっか片隅で思っていることを言葉に出してもらったようで、ハッとすることばかり。

それと同時に負けん気といいますか、絶対奥津さんが見えに来た時には驚かせてやる。と熱も入りました。

ここには書ききれません。

でも本当に愛のある、エンジンが全開の人間でした。

(緊張しすぎてたくさん飲んだワインは僕にとってアルコールを感じさせない液体でした。)

ここで僕が一番思ったのは

なぜこの地で僕は働いているのか。

なぜここでなければいけないのか。

ということ。

正直、僕の料理はどこでもできます。

東京でも、九州でも、海外でも、料理を作ろうと思えばできる。

でもなんでここなのか。

僕には答えが明確になっていませんでした。

’’場所があるから’’

こんなしょうもない答えだけでよく1年半続けられて来られたなと、呆れ、感心しました。

ひのめは月の庭というお店の跡地を借りて営業しています。

そこの想いや当時の取り組みのひのめをみる。という解釈でひのめを続けて来ました。

でも考えてみると、浅くないか。と。

もちろん月の庭がすごいことはわかります。

10年前に閉まってなお、当時を知っている人が続々と来店される。

オーナーのかおりさんは僕が大尊敬していて、大好きな人。

でも、なんだかすごく薄っぺらい気がしてきて、、表面のいいとこだけ削り取ってそれで遊んでるような。

今は僕がひのめとしてこの場所でやっているとなった時に、

どう言語化していいかわかりませんでした。

心は悶々と、、、

と、

いきなりめんを喰らいまして、その日を終えたのは夜中の1時ごろ。

刺激的すぎて、整理できないまま寝ました。

大感謝。

続く